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ストラテジーの論文を読んでいてふと思ったこと

他の科目でも同様ですが、ストラテジーでは分厚いテキストやケースのみではなく、昔の有名な論文もよく読みます。実は前のセメスターでもこの先生の別の科目をとってましたが、そのときも同様でした。

Michael Porterの論文はいくつか読みましたが、今回のAssignmentでは「コア・コンピタンス」を提唱した論文 The Core Competence of the Corporation も読み物として指定されてます。「コア・コンピタンス」という用語だけは耳にしたことがたまにあったように思いますが正直その意味合いはほとんど知りませんでした。(敢えて言うならば大勢のビジネスマンも同様でしょう。)

平たく言うと、かの有名なMichael Porterは外的要因でまず産業を分析して(Five Forces)、その上でどのように差別化をしていくかということを理論にされたわけですが、これに対して内的な要因で競争力を説明しようとするResoruce Based Viewという見方が別の方から提唱されて、その流れでCore Competenceというものが提唱されたということになります。(私がきちんと理解していれば)

ちなみにストラテジーを学ぶ前の私の浅い理解では「コア・コンピタンス」というのは、何かキーになるような、つまりコアのリソースみたいなものが大事という話かと思ってましたし、多分大方の理解はそういう感じではなかろうかと思います。

一方でMichael Porterは、何が一部のキーになるリソースややり方だけ注目して、たとえばライバルの強みを真似るといったことは自社の競争力向上にはつながらないとしています。

問題のコア・コンピタンスの論文は表面しかなぞってないのでその内容はここではご紹介しないとして、以下が本題です。この論文は1990年にHarvard Business Reviewで発表されているのですが、つまり、バブルがはじけた1989年の翌年ですね。まだ日本企業がものすごく強かった時代の頃です。

この論文の冒頭でGTEというアメリカの(当時の)大企業とNECを引き合いに出していかにNECが素晴らしかったか、あるいはその後も日本企業の名前が次から次へと良い意味で紹介されているのですね。今読むと日本人として少し微妙な気持ちを抱きます。

そして、Michael Porterは、こちらは有名な論文はいくつもありますが、その中の1つにWhat is Strategyというものがあります。こちらは1996年に発表されています。

その中で、やはりOperational Effectivenessという分野では日本勢がすごいと書きつつ、(論文の趣旨としてはOperational Effectivenessというのは戦略ではないのだという話ですが)論文の中のコラムでJapanese Companies Rarely Have Strategiesというタイトルで書かれております。これまたお恥ずかしいことに、今読んでもそのまんま通用することが書かれております。

そう言えばMichael Porterは、最高を目指す競走ということではなく、差別化を通じて自社がいかにしてCompetitive Advantageを持つかということを謳っておられまして、つまり、各社が「最高」を目指すと皆同じようなもんを目指しつつ利益も確保できなくなるというお話なんですが、そう言えば弊社のCEOもMBA持っているはずですが常々最高を目指しているんだそうです。。